2012年9月14日金曜日

感動の北見黄物語

来週から発売開始になる"北見黄"ですが、販売先のお客様にはプレゼンテーションを通して、感動の復活物語をお伝えしてきたつもりではあります。
そのお陰で順調な滑り出しを切れそうです(逆に原料が心配になって来ました)。

何と言っても、種取りから始める栽培方法が最大の売りなんですが、今回のエントリーの趣旨は今までお伝えしてきた内容を紹介することではなく、19日から発売するために、神戸まで一旦輸送するのですが、危うくお届けできない自体になるかどうかの瀬戸際だったのです。

今回はプロジェクトXで放送してもらいたいくらいの、熱い男たちによる連携プレーを紹介したいと思います。
(北見黄の種取りはYouTubeにアップされてるので見ておいてください)


9月11日深夜 9.11テロ/3.11大震災から1年半のこの日北海道でも異常事態が。。。
JR江差線、木古内駅で脱線事故発生。本州と北海道を結ぶ物流の大動脈の2本のレールが運航停止に。

9月12日早朝 僕は南瓜講習会のため津別へ出発。途中、岩見沢で信じられないほどの豪雨に遭遇し(結果、観測史上1番目だとか)、命からがら北見まで運転する(辛うじて通行止めの寸前)。
AM9時、嫌な予感がした僕は講習会終了後、当日神戸へJRコンテナで神戸本社まで発送予定だった玉葱の状況確認を行う。
事故の知らせを聞き、積む寸前だった"北見黄"をコンテナ輸送キャンセルを決断し、問答無用でトラック会社にヘッドと船枠を抑えさせ、トレーラー輸送に振り替える(この日は市場休で荷物の手当に苦慮する)。
AM11時、なんとか積み合わせの荷物を確保し、オーダー確定。
もう、2時間ほど遅れていたら船枠も、トレーラーヘッドも見つからない自体になるところでした。

9月13日AM 北見にて"北見黄"の積み込みを開始。順調に終わる。
PM5時 相積み荷物の仕入先よりトラックが到着していないとの電話。。。
PM5時30分 やっとトラックが南空知の栗山町に到着し、荷物の積み込みを開始(この時点ではトレーラースペースの1/4しか北見黄を積んでいなかった)。なんと栗山町に到着したあとなのだけど、管内で3箇所積みということが判明する。
PM6時30分 最後の集荷先へ到着。計算上、船のゲートクローズを考慮すると6時50分には出発しなければいけない計算だった。
運送会社から5分毎に電話が掛かってきて荷物を諦めるか、翌日に回すか決断を迫られる(結局、翌日に回した場合、脱線事故の影響で船枠は獲得できなかったのだけど)。
僕は荷物を諦めることを選択するが、集荷先の農協職員も総出で手伝ってくれ、500ケースの荷物をわずか20分で積み上げるという奇跡に近いような芸当を成し遂げる。
僕、運送会社、トラックドライバー、現場の農協職員...皆が一丸となって対応に当たり、成し遂げられたことと思う。お金の問題をまったく無視して、それぞれが持ち場・持ち場で一致団結して仕事するのって素晴らしい。

PM7時 無事にトレーラーは苫小牧港に向け出発。

PM8時 ゲートクローズまで20分のところで無事に"北見黄"を乗せたトレーラーが到着し、無事に神戸に向け船が出港。

いい年したおっさん達が必死になって輸送した"北見黄"が明日神戸に到着します。

遠足は家に帰るまで。。。とは上手いこと言ったものだと思いますが、まさに、"北見黄"はお店に並ぶまで。。。まだまだ気は抜けませんが、僕達、産地側の人間ができることは終わりました。あとは神戸でパッケージされ、お店まで輸送されれば完結です。

一度、絶滅しかかりましたが、自家用に持っていた種を見つけ出し、増産し一般販売まで出来るようになった"北見黄"は本当に美味しいので皆さん食べてみてください。

P.S 本当は村上春樹風にストーリーを書きたかったのですが、僕の文章力では無理そうなので出だしで諦めました。作家になって、この仕事をドロップアウトするにはまだまだ時間がかかりそうですね。


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