2012年12月29日土曜日

本年もお世話になりました

こんにちは。
年々、年末をはじめ各種イベントに心躍らなくなってきた自分が悲しいです。
たぶん、新年だからといって実家に帰ることも無いでしょうし、特別美味しいものを食べるとかも無いと思います。
正月も毎日のルーティン同様、コンビニでサンドウィッチでも買って食べてるくらいでしょうかね。

さて、先日のことですが、これまで6年程お付き合いさせて頂いた農家で、公私共に大変お世話になった方との今後の取引ができなくなってしまい、大変悲しい思いをしております。

ただ、金の切れ目は縁の切れ目であり、ビジネスで上手くいかに相手とはお互いにお付き合いできないのです。
冷徹なようではありますが、致し方ありません。
呑めない要求は呑めないし、財源がないものは払えないのです。
この農業の世界は正論が理不尽に覆されることは僕も承知しており、何度も自分の考えに反し相手の要求を飲むことがありましたが、この度の一件はやむを得ないと思っております。

基本的に生産者は弱い立場ではなく、実は強い立場なのです。同様にサラリーマンも普段は給料を頂いて一見弱い立場のようですが、転勤が嫌で辞めるといえばどんなに稼ぎ頭の人間であったとしても辞めれるし、生産者も同様にすべてを自己責任の上決められるのです。
とは言っても、お金を頂く相手がいて商売が成り立っている事に感謝の念を持つことは言うまでもありません。

僕はこの度、人の言動を見て、自分も同様になってしまわないよう改めて言葉の重さを学んだ気がします。

来年度、減った物量をどこかで補うよう営業活動をしていこうと思います。

でもなぜか少し肩の荷が降りた気がしてなりません。

僕はこれからも社用車の中でサンドウィッチを噛りながら北海道を駆け廻ります。

2012年12月21日金曜日

渋滞に悩まされる日々

こんにちは。
道東方面では最低気温がマイナス20度を観測する日がチラホラ出始めています。
今年の冬は札幌地区で例年の4倍と雪が多く、道東は寒さに悩まされる日々が続いております。

寒いのは我慢すれば良いとして、雪がとりわけ問題を引き起こしています。
普段であれば5-10分程度で事務所から札幌駅まで着くのですが、路面はガタガタ&ツルツルに加え、普段は2車線の道路が1車線になっていたりで、30分程度掛かるわけです。
全く時間が読めず、運送会社に急なオーダーを出しても対応できない状況が続いています。

北海道からの移出商売も今週末で大詰めを迎えるというのに、なかなか頭の痛い問題ですね。

2012年12月11日火曜日

平成24年産玉葱の販売状況

あの大きな玉ねぎの下で、初めて君と会える・・・♪

MVMのオニオンプリンスこと瀬尾です。
ちなみに、オニオンキングは僕の上司です。
いずれもニュージランドの方に命名していただいたので、このまま使い続けても問題ないかと思われます。

さて、北海道産玉葱販売状況ですが、僕の想定以上に進度がいいようです。
出所:おひさまサラダ vol.119
一番下の表に注目なのですが、全道のJAとして年明けの計画が昨年比で僅か7,170tまで進捗させているとは思いませんでした。
もちろん、この計画はあくまでJAのみの出荷数量であり、商系業者は大幅に販売進度が遅れていますから不確定要素は多数あります。

それと、最後に気になる点があるんですが、2番めの表(作付生産概要)ですが、おそらくH23年と24年の全道の数字が入れ違いかと思われます。
今年の生産量が55万tなんて少ないわけ無いでしょ!

毎日の事ですが

今年は雪が多くて嫌になりますね。
これでも、札幌中心部は北海道内他の地域よりは全然少ないんですよ。

一晩で90センチ降るとかマジキチな地域もあるみたいです。

2012年12月10日月曜日

グチャグチャな輸送環境

こんばんわ。
タイトルの輸送環境はこの業界に携わる方なら誰もが分かっている通り、とんでもない状況が続いております。なんせ、日本海ルートでのJRコンテナは空コンテナが北海道に戻ってこず、保冷コンテナ(通称URコンテナ)が全くもって足りない状況でして、南瓜や馬鈴薯など絶対に凍らせられない荷物を発送するのにトレーラーへの代替が続いて、普段トレーラーを利用しないサプライヤーまで登場するもんですから僕たちはその煽りを食らって大変です。
それでも、札幌はやっぱり恵まれていて、辛うじて帰ってきたコンテナを一番先に使えるわけですから、地方部(旭川・北見・帯広など)は更に大変なコンテン状況らいしですね。
北海道オフィスもいつか物流センターを構えられるまでになりたいと思っていますが、その際は札幌から苫小牧までの間に設置するしかないでしょうね。なんだかんだで、運賃面や到着までのリードタイム、不測の事態が起こった場合など考えても道央圏しか考えられません。
今後産地は中標津・美深より北上して行く事が考えられますが、やっぱり同じ北海道という島国の中から海をわたって荷物を発送するわけですから、余計に道央圏の重要さが増してくるんじゃないですかね。

それはそうと、グチャグチャなのは輸送環境もですが、路面状況がグチャグチャでして、この時期としては考えられないほど雪が降る上に、気温がプラス2度とかまで上がるんですよ。考えられないほど重い雪が北見では一晩で50センチとか振るもんですから歩き辛いことこの上ないです。札幌は200万の人口を抱える大都市ですから車の渋滞がひどく(普段は2車線が除雪の雪で1車線になったり)外出するのが億劫になってしまします。

早いところ春になってもらうか(5月くらいにならないと雪はなくなりませんが)、雪のない東京とかに引越したいですね。

2012年12月8日土曜日

ぐちゃぐちゃ~

こんにちは。
年末の繁忙期に北海道の農産物業界は輸送の乱れによりパニックに陥っております。

・フェリー関係
5日から本日8日迄日本海側(新日本海フェリー/近海郵船)がストップし関西ルートへの輸送がマヒ

・JR貨物
北海道を出発した列車は青函トンネルを越え、行き先により日本海ルート太平洋ルートに分かれるのですが、日本海ルートは連日の猛吹雪(フェリーが止まるくらいなので当たり前ですが)連日の運休or大幅な遅延によってダイヤがぐちゃぐちゃ。太平洋ルートは辛うじて生き延びていたのですが、昨日の地震で点検に入ったりと、自分の発送している荷物がどこにあるのかわからない状態。

よって、お客さんへも荷物が着くのか遅れるのか?全くお伝えできない状態です。

僕達は荷物を運送会社に預けたら最後、お客さんの手元に届くまで電話で状況確認くらいしか出来ないものですからお許し頂きたいですね。あんまりにも輸送乱れる場合は、市場で代替品を買ったりして出来る限りの誠意は尽くしますが。

それにしても、年末の荷物が溢れかえる12月にこれだけ天気が乱れる事もはじめての経験かもしれませんね。今年の北海道は豊作で荷物が溢れましたが、なんだかんだで輸送の乱れや輸入品の高騰なんかで上手いこと救われていますよね。

2012年12月6日木曜日

クレーム要因

凍えた両手に息を吹きかけて、しばれた体を温めて〜♪

こんにちは。
本日から北海道は大荒れの天気になるようですね。
お陰様で昨日から新日本海フェリーが欠航になり、僕の出荷する荷物が日本海ルートでの輸送できない状態なものですから、急遽太平洋フェリーに振り替えたりして面倒くさい状況がしばらく続きそうです。普段取引している運送屋さんは料金と小回りにメリットがあるんですが、いかんせん日本海ルートが寸断されるとにっちもさっちも行かなくなるもんですから、全面的に輸送をお任せするのは怖い状況です。
このあたりのトレーラー輸送/JR輸送業界について、僕は他業種ながら結構マニアックなところまで知っておりますので、長文のエントリー1本くらいさらっと書けてしまうと思います。また別の機会に論ずることとしまよう。いずれにせよ、北海道からの農産物移出商売をするにあっては本州まで津軽海峡を越えなければならないので、我々北海道の人間にとっては輸送は生命線なのです。

さて、タイトルのクレーム要因ですが主に3パターンに大別できると考えております。
※今回は原料販売での要因とします

  1. そもそも本当に品質が悪い
  2. 出荷者とユーザーのミスマッチ
  3. 出荷者は悪くない
1の本当に品質が悪い場合はお客さんから提示されたクレームを飲み、今後の改善につなげるよう粛々と産地と調整を図っていく事になります。

2のミスマッチが結構タチが悪くて心折れそうになるのですが、同じ玉葱をお届けするのでもAというユーザーは北見でなければ通用しない、Bというユーザーはどこの産地品質でも通用するetc. ユーザーによっての特性を知っておく必要性があります。

3の出荷者に問題ない場合もタチが悪いです。主にマーケットクレームと同レベルのユーザーが問題なく使用出来る原料を使えないといってくるパターンです(豊作年にありがちですが、良い原料を使いすぎて本来の品質を見抜く目を失ってしまっている場合)。
そもそも、マーケットクレームを言ってくるようなユーザーとは二度と取引しないことくらいしか対応策はありませんが、豊作年に原料の良し悪しを見抜く目を失っている場合はどうしようもありません。
本年の北海道産玉葱は早生品種については過去10年の中でも最高クラスの大玉が収穫されましたが、11月以降に出荷する玉葱については平年クラスにサイズダウンして推移していきます。このあたりの状況を分かっていない人が結構いる感じがします。
実際のところ、僕もフィールド周りしていた時期は玉葱のサイズを一発で当てられないほど目を狂わされたのですが、そろそろ修正していただかないと困りますね。

それと、僕はこれまでの経験から判るのですが、クレームが起きた場合、ユーザーに頼み込んで無理やり使用してもらうという方法をとった場合、明らかにカモにされることが大半です。
遠くまで荷物を送ってしまい引き上げ運賃を躊躇うのですが、結果的には引き上げたほうが怪我は少なかったというのがお決まりのパターンです。

つまり、何が言いたいかというと、自分が直接電話で信頼持って話せるお客さんをたくさん作るしかないんですよね。人伝に末端ユーザーとは対話できません。

北海道で商売するに当たり、僕みたいな中間業者は生産者やJAより力関係が下ですから、約束の期日までに荷物の引き取りをしなければならない時は、夜も寝られないほどハラハラ・ドキドキしながら荷物の行き先を探すんですが、こんな時無理矢理売った荷物に限って、その場凌ぎになって気持ちは晴れやかになるんですが、結果商品スペックを伝えるのが甘くなったりしてクレームでやられたというパターンがあるんですよ。

この辺は産地育成をしっかり行うことと、後でお客さんから突っつかれないよう、これでもかと言うくらい商品スペックを説明し、サンプルや写真も手間を惜しまず送る。こうやって川下ユーザー/我々/川上生産者ともども反省点を一つづつ改善し2年生になるよう努力していくのが中間業者としての役割ですね。

玉葱や南瓜や馬鈴薯など日持ちする野菜は1週間や半月でクレームは受けれませんなどと言う甘やかした産地育成を行わない努力をしていきたいですね。次年度は品質に重点を置いたフィールド活動をします。

前回のエントリーでも書いたお決まりのパターンです。

強い敵が現われる→最初はやられる→修行して強くなる→敵を倒す→もっと強い敵が現われる

これを僕の営業活動に置き換えると・・・

クレームが起こる→最初はやられる→産地育成して高品質化→末端ユーザーを唸らす→もっと要求度の高いお客が現れる

ですので、産地側で僕に関わる運送会社/同業者/生産者などすべての人が2年生に進級できなければ目標は達成できません。落第する人は容赦なく振り落としていく覚悟が必要ですね。毎年同じ事の繰り返しではダメだということです。

2012年12月3日月曜日

馬産地に見る北海道農産物業界

あ〜れ〜は北川謙二だっ!

で、おなじみの北海道オフィスです。
どうにも、NMB48のフレーズが頭から離れません。
AKB本体より、SKEだとかNMB、HKTなどの支店組の方がギラギラとハングリー精神が溢れていて、見ている方は楽しいですね。早いところ北海道にも支店ができないでしょうかね?
札幌市は日本有数の女性の町(人口比が女100に対し男84)だそうです。どうにも北海道の男は大学を卒業しても働き口がないことが要因のようです。
ですので、札幌には暇を持て余してそうな若くて可愛い子がいっぱい居るんですよね。

それは置いておいて、僕も神戸の本体に存在感を認められるように頑張らなければなりません。


さて、アイドルファンは僕の独自調査によると、競馬とプロレスもファンである場合が非常に多いです。血液型占いみたいなもんで根拠こそ乏しいのですが、僕がお客さんや友だちとお酒を飲んだ時には、ほぼ間違えなく共通の話題で盛り上がります。
ついでに、この手の人種はITにも精通していて、デジタルガジェットを駆使して自分の好きな分野のみならず、様々な情報を持っており、ウンチク屋である場合が多いです。


さて、僕はそんな趣味を晒したいのではなくて、北海道の畜産業界(特に競馬を始めとする馬産地)と我々が生業としている青果業界も非常に共通する事柄が多いことに気付いてしまいましたので、今日は少しだけ今後の青果業界の動向を予想したいと思います。
どちらも、画一的に生産する工業製品ではないところがポイントで、年によって豊作不作(当り年、外れ年)があることがキーです。

1.競馬界で起こっている事柄
僕は小学生の頃から毎週競馬を観ていたのですが(賭けるのは未だに好きじゃなく、血統学とかに興味があるだけです)、約20年前と比べ馬の個性が無くなって来ました。
また、馬主もメジロ軍団を代表するように個性ある馬主が減少し、社◯グループを筆頭に、今年のジャパンカップなどが顕著ですが、ほぼ同じ勝負服の運動会状態です(笑)
上記の事柄からも判るように、生産者/馬主とも20年前と比べ国際化の波に乗れた者が勝者総取り状態で儲けの殆どをさらって行った結果、中小の個性ある馬や馬主が滅びたわけです。
しかし、僕は今の現状が悪いとは思いません。昔はダービーはじめ、外国産馬に出走制限のあるレースが殆どで、いわゆるマル外が日本の競馬を席巻していました。国内の生産者は世界に通用する馬作りが急務だったわけです。
そこに登場したのがノーザンテースト、サンデーサイレンスを導入した社◯グループだったわけです。これらの種牡馬を導入したことにより、国産馬の能力は飛躍的に上がり、普通に世界と肩を並べるまでになりました。ただし、限られた種牡馬の子供たちが席巻する競馬となり画一的な馬ばかりとなりましたが。

2.今後、北海道農産物を取り巻く状況
これまで、北海道の農産物はブランド力に任せて積極的に世界へ売って出る必要性はなかったのですが、おそらくTPPで状況は一変することと思います。
競馬界と一緒でダービーの外国馬への開放と同じで外国産の安くて高品質な農産物がじゃんじゃん押し寄せてくるはずです。そこで、北海道産地はこれまで個性豊かだった各地域が急速に再編されていき、圧倒的に力のある生産者の総取り状態となるでしょう。
こんな事を書くと「食料自給率が・・・」と反論はあるでしょうが、自給率はカロリーベースで計算されているので、小麦や大豆などのウェイトが重要なのです。残念ながら日本ではこれから小麦や大豆を増産したところで全くもって勝ち目はない状況です。もちろん国産大豆を使った納豆など一定の需要はどんなに価格差があってもありますので、今後の輪作体系の維持からも無くなることはありません。
すでに北海道でも先見性のある生産者はコメの輸出など始めておりますし、経営規模も10年前は100ヘクタールだったが、今では250ヘクタールなどという生産者もチラホラ出現してきています。
恐らく今後はこの様な生産者が続出し、2・3人の生産者と付き合い出来れば十分事務所を維持できるくらいの物量を扱わせてくれる時代が来るでしょうね。

3.今後の産地業者
僕は北海道からのサプライヤーという立場ですので、北海道産の農産物をあらゆる地域から集められるようにすることがキーでしょうね。また、ひとつの地域や品種にこだわりなくすることが重要で、常に世界にアンテナを張っておく必要性があります。

現在はおもいっきり戦力に開きがある北海道の農産物と輸入農産物ですが、小さい頃観たドラゴンボールを思い出し、今後も予言できるのです。
あのお決まりのパターンです。

強い敵が現われる→最初はやられる(僕たちは今ココ)→修行して強くなる→敵を倒す→もっと強い敵が現われる、というストーリー展開の序盤だということであるのです。


これまでの世界の様々な分野のハイパーインフレーションの構造を理解していれば、中国と北海道の玉葱の価格差が3倍などすでに射程圏内に入っているということが容易に理解できてしまうのです。

結局のところは、20年前に北海道の馬産地が経験した事象をこれから僕達農産物業界が経験し、強くなっていく過程だということです。